ミシンは価格だけで選んではいけない!買う時に注目すべき10の機能
ハンドメイドを始めたい、好みの布で手づくりの小物を作りたいと思った時、初心者はまず最初に「どのミシンを買ったらいいのか」という壁にぶつかります。
実はミシンは、1万円以下のものから数十万円するものまで販売価格が幅広く、その分、機能も多種多様です。
この記事ではミシンを選ぶ時に悩みの種となる「機能」を解説しつつ、ハンドメイド初心者さんにおすすめの「必須機能」「あると便利な機能」等を紹介します。
こちらの記事でもおすすめミシン製品を紹介していますので参考にして下さい。
ミシンは価格だけで選んではいけない
ミシンは玩具的なものからプロ向けのものまで多種多様であり、価格の幅が広いのですが、見た目がどれも似通っていて、違いがわかりづらい商品です。
しかも価格と内容が必ずしも比例していないため、機能をチェックせず値段だけで選ぶのはおすすめできません。
高額なミシンでも自分に合っているとは限らない
一般的な家電製品は、高価な物ほど高機能で使いやすく、お手入れが少なくて済む等のメリットがある場合が多いです。
しかしミシンにはその常識が通用しないことがあり、「価格が希望にマッチした」「予算内だから」という理由だけでミシンを買うのは危険です。
高額なミシンの中には、ミシンや裁縫に関する一定の知識や経験を要求するものもあり、初心者には使いこなせない可能性があるからです。
ミシンには様々な機能がついています
販売しているミシンを複数調べると、いろいろな「機能」がついていることがわかります。
自分の能力や趣向にあわせて、好みの機能がついているか注意して選ぶことが、長く使えるミシンを選ぶコツになります。
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初めてミシンを買う方におすすめする必須機能
ミシンは商品により付いている機能が異なります。
この項では、一般的な家庭用ミシンに付いていることが多い機能とその内容について解説しつつ、無くてはならない必須機能について紹介します。
直線縫いとジグザグ縫いの2種類
直線縫いは、真っ直ぐに縫う縫い方で、使用頻度が最も高いです。
ジグザグ縫いは、布端を山型の縫い目で縫う方法で、布がほつれないようにするために使うものです。
洋服や布小物を作る場合は、最低でもこの2種類の縫い方が必要です。
中級者以上になると、「職業用ミシン」と「ロックミシン」の二つのミシンを所有して、それぞれの作業をそれぞれのミシンでする方もいますが、初級者であれば直線もジグザグも対応可能な「家庭用ミシン」で十分です。
自動糸調子
糸調子とは、ミシンで縫った時の縫い目が美しく仕上がるよう、自動的に整えてくれる機能です。
自動糸調子機能が無い場合は、縫い目が均一になるよう、自分で糸調子を調整する必要があります。
既製服等はプロが縫製しているため、美しい縫い目(ステッチ)で出来上がっており、ステッチが均一であることは当たり前のことのように考えがちですが、実は均一な美しいステッチに実現するためには、試し縫いや糸調子の調整を繰り返し行う必要があり、初心者はこの作業で苦労します。
「自動糸調子」はその面倒な糸調子の調整を、自動でミシン側に任せてしまえるのですから、とても便利です。
実はこの自動糸調子機能、とことん万能というわけではないのですが、ある程度の効果は期待できるので、ソーイング初心者には特におすすめしたい機能です。
糸かけに関する補助機能
糸かけというのは、ミシンを使う前に絶対に行うもので、ミシン糸をミシンの特定の部品にかけたり、穴を通したりする作業です。
糸をかけていく順番はあらかじめきちんと決まっており、ミシンを使っていく内に自然に覚えていくものですが、ミシン初心者や使用頻度の低い方は、使用前に糸のかけ方をマニュアル等で都度確認し、順番通り間違えずに、糸かけを行う必要があります。
ミシンメーカーもこの作業の面倒さを理解しているので、糸かけの順番がわかるよう本体に番号をふってくれたり、音声ガイドやお知らせをしてくれる機種があります。
ミシンのイロハが全くわからないという方は、こういう初心者向けの機能があると、マニュアルをいちいち読む手間が省けて便利です。
あると絶対便利な機能
使用頻度が比較的高く、あると便利な機能を紹介します。
自動ボタンホール
自動ボタンホールとは、ボタンを留めるための穴を、糸でかがってくれる機能です。
ミシンの押え金をボタンホール用のアタッチメントに交換するなどして行うことが多く、ミシン側でボタンの寸法に合わせて、穴のサイズも自動的に調節してくれます。
シャツや前開きパジャマなど、何個もボタン穴を開けるような作品を作るつもりであれば、自動ボタンホール機能のあるミシンを選ぶのがおすすめです。
フリーアーム
フリーアームは、ズボンの裾やブラウスの袖、カバン、ポケット等、筒状または袋状のものを縫う際に、ミシンの一部を変形させて使います。
フリーアームは使用頻度が意外と高いので、念の為、購入前に確認すると良いでしょう。
フットコントローラー
フットコントローラーとは、ミシンに縫い始め、縫い終わり等を、足(フット)で踏み込んで指示する部品です。
ミシンを買うとフットコントローラーが標準で付属しているという商品もあれば、別売りになっている商品もあります。
フットコントローラーがあれば、縫っている時の布の取り回しがしやすくなり、仕上がりも良くなりますので、できればミシン本体とセットで入手するのがおすすめです。
複数の送り歯
送り歯とは、ミシンの針が下りる辺りに平らに横たわる、ギザギザとした金属の部品のことです。
送り歯の上には「押え金」という部品があり、その間に縫いたい生地を挟み込んで、ミシンの針を落としながら縫い進めるのですが、送り歯が多いほど、布との接触面が増え、布を送り出すための直進力や安定感が増します。
送り歯の枚数が多い(6枚、7枚等)機種は「薄い生地はもちろん厚い生地も縫えるよ」とアピールしているのです。
夏のワンピースやブラウスのような、薄手の生地で作品を作る時はあまり気にならないのですが、帆布のバッグのような厚い生地やカーテン等の長尺物を縫う際は、送り歯の枚数が多い方が推進力が感じられ、安心感があります。
お知らせ・エラー表示
使っている時にミシンが止まってしまうことがあります。
動かないミシンには何か問題点があるはずなのですが、初心者には見当がつかない場合があります。
そこで家電同様に、液晶上でメッセージを表示したり、ランプが赤くなって準備ができてないことを知らせてくれるミシンがおすすめです。
家庭用コンピューターミシンの場合は、液晶が本体に付いており、ミシンが動かない理由を「エラー番号」で表示してくれるので、エラーが判別しづらい初心者にとってはありがたい機能と言えます。
あると便利だけど無くても全く問題ない機能もある
ミシンに付いている様々な機能の内、付いていなくても何とかなる機能を紹介します。
これらはあると便利なこともありますが、付いていないとダメというわけではありません。
自動糸切り
自動糸切りとは、ミシンの上糸と下糸の両方をカットしてくれる機能です。
カットして欲しいところまで来たら「糸切りボタン」を押して糸を切るよう指示すると、ミシンが糸を切ってくれます。
ハサミを使う必要がないので便利な反面、糸の無駄が出やすく、私自身もあまり利用しておらず、必須機能とは言えません。
ゆっくり・スロー機能
縫いはじめがスタート、ゆっくり縫えるようプログラムされたミシンもあります。
ミシン側で速度をコントロールしてくれるので便利そうに見えますが、ミシンに慣れてくると、縫うスピードは自らコントロールしたくなる場面が増えるため、この機能も「あれば便利」ですが必須とは言えません。
まとめ
ミシンについている機能をチェックしますと、いずれも等しく必要な機能のように表示してありますが、全てが必要というわけではなく、実はその重要度や使用頻度にはかなりの差があります。
特にミシンを初めて買う場合、今後どの程度使うか未知な状態ですので、特別な目的がある場合以外は、高額なミシンを買う必要はないと思います。
基本的な作業が行え、かつ必須機能を備えた、手頃な価格のミシンを使ってみるのがおすすめです。