不器用者がロックミシンで得たものは、手縫いの洋服や手製の小物たち
ミシンの種類は普通思っているより多いものです。
特に、ちょっと特殊なと評されるミシンの場合、それを使用する人以外には知られていなかったりもするものです。
いやミシンなら普段使うものだから、知っていて当然と思うのも無理はありません。
それでもロックミシンというのは意外と知られていないものだと思うのは、筆者が物知らずだったからかもしれませんね。
こちらの記事でもおすすめミシン製品を紹介していますので参考にして下さい。
ミシンと言えばせいぜい
ミシンと言われれば、せいぜいの所、足踏みミシンとか電動ミシンくらいしか若い頃の筆者は知りませんでした。
それもめったに使うこともなく、面倒だからと手縫いで済ませていたものです。
手縫いのほうがよほど面倒だと、後日しみじみ感じたものですが、若い頃はいちいち糸通しをして面倒だったのも事実です。
また普段はあまり使わなかったせいもあり、勘をとりもどすのにも時間がかかったせいもありました。
家にあったのは足踏みミシンだったので、勘も何も無かったはずなのですが、言い訳というものですね。
まあ要は、苦手意識が強かったのかもしれないですね。
子供の頃によく、いたずらをさせないためか、ミシンで手を縫ってしまうことがあると脅かされていたことも原因でしたね。
考えてみれば、親心とは言え酷なインプリンティングをしてくれたものです。
ずいぶん長いこと、苦手意識は取れませんでした。
こちらの記事でもおすすめミシン製品を紹介していますので参考にして下さい。
仕事柄衣装を縫ったりしたので
仕事の関係で舞台衣装を縫ったりすることもあったので、その後ミシンは嫌でも使わなくてはならなくなりました。
舞台衣装というのは遠目に見るものですので、縫い目が荒くてもどうということはないという、ミシン苦手人間にはありがたい代物です。
ついでに手縫いの衣装も、適当に縫えば大丈夫ということで、決して器用ではない筆者には本当にありがたいことこの上なしの、縫い物だったわけです。
なので随分縫いましたが、当時作ったものを見てみますと、縫い目もよろよろと酔っ払ったように曲がっていますし、針目も大きくて何ともいい加減な出来栄えです。
普通の衣服だったらとても、表に出すことはできなかったですね。
それでも特殊な、舞台衣装だったからこそ何とかなっていたのでした。
この当時使用していたミシンは、足踏みミシンと電動ミシンが半々でした。
まとめて沢山縫う時は、電動ミシンで時短で縫ってしまい、ちょっと手をかけなくてはいけない衣装だけ、足踏みミシンで丁寧に縫ったものです。
ここを読んで、おやと思った方もいるかもしれません。
本来なら縫い目もきれいに揃えるには、電動ミシンのほうが上手くいくはずなのです。
しかし電動ミシンの縫い方の速さに恐怖していた筆者です。
その時々で速さを、踏むことで変えられる足踏みミシンのほうが、ゆっくりと丁寧に縫えたというわけです。
あまり器用でない方には、正直足踏みミシンはおすすめのタイプですね。
海外でもやはり衣装縫い
ちょっとあれこれあって海外に長く暮らしましたが、ここでも舞台衣装を縫いまくることになりました。
非常にコンパクトな電動ミシンを入手できましたので、それを利用して縫い物をしていました。
下手な鉄砲も数撃ちゃ当たると言いますが、とにかくこの時代ひたすら電動ミシンを使ったおかげで、やっと苦手意識から開放されました。
なので自分では、この時代でようやく縫い方がうまくなった気がします。
ミシンで縫っているのに上手下手もないだろう、と思われた方もいると思うのですが、やはり思い切りの良さなどで縫い目に違いは出てくるものです。
縫い目とか揃えるには、思い切りの良さや一定したリズムが必要だと言うことですね。
それが何とか手に入れられたのが、この時代だということです。
衣装縫いのお陰で出会ったのが
この海外の衣装の海の中で出会ったのが、ロックミシンでした。
ストレッチ生地での縫い物が多かったのがきっかけで
ある時衣装を作るのに持ってこられた生地が、ストレッチ布地ばかりだったのです。
海外のストレッチ布地は大変によく伸びるし、しかも切りっぱなしでもほつれないという優れものです。
なので安心して裁って縫っていたのですが、ストレッチしている関係上裁つのがその分難しかったのです。
そんな愚痴をこぼしていたところ、これを使ったらと知人が持ってきてくれたのが、ロックミシンでした。
不器用者に何て言うものを使わせる
生地を裁ちながらかがり縫いをして仕上げまで出来てしまうという、5本糸のロックミシンをいきなり持ってこられてしまったのです。
それこそ、不器用者に何というとんでもないミシンを持ってきたんだと、大きくショックを受けてしまいました。
何故といって、裁ちながらというところがまず問題です。
ちょっとでも手が滑ったら、取り返しがつかないことになってしまいます。
布地を駄目にしてしまう、切ってはいけないところを切ってしまうわけですから、それこそゾッとしました。
それを持ち込んだ知人は、慣れればどうということはないと言いながら、適当にマーキングしただけの生地を起用にもサクサクと裁ちながら縫っていくではありませんか。
仕方ないこれも慣れと言うことで
正直時間もなかったので、布地を裁ってその後縫うかがるという手間を1つでも省きたいのは事実でした。
生地へのマーキングはやってくれる友人がいたので、その後裁って縫うというのが仕事だったのです。
仕方ないのでこれも慣れれば、と仕事外の時間で適当な余り布を使って練習しました。
ストレッチ布地なのでひらひらして薄手で余計に怖かったのですが、それでも何とか様になるようになったのは、何枚余り布で練習してからだったか憶えていません。
正直、これなら裁ってから縫ったほうが早いのでは、とさじを投げそうになったことはしっかりと記憶しています。
慣れてしまえばこっちのもの
実際慣れてしまえばこっちのもので、勘がつかめてからは鼻歌気分で出来るようになりました。
裁つと縫うが同時に出来る時短の便利さに、本当に助けられたものです。
その後自分専用のロックミシンを購入したことは、いうまでもありません。
帰国してからの縫い物はもっぱらロックミシンで
かがり縫いと布を裁つのが一緒にできるロックミシンです。
なので別にストレッチ布地でなくても、使いではいくらでもあります。
普通の衣服の場合もこれを使えば、布自体にマーキングできれば後は勇気を持ってロックミシンをかけるだけです。
裁ち目をかがる必要もないので、大変に便利で使い勝手がいいものです。
特にニットの物を縫う時には、大活躍してくれます。
このロックミシンの特訓で、ミシン全体に対する苦手意識も吹っ飛んでくれましたので、帰国してからは自分の着る物や小物はほぼ全て手製になりました。
面倒くさがりな筆者としてはできるだけ手抜きで、しかも安上がりにあれこれ作りたいと言う野望があります。
ロックミシンはその野望を叶えてくれたのです。
折り紙つきの不器用者なので、逆に一旦手につけた技は滅多に無くしません。
なので今日も楽しくミシン掛けをする筆者なのです。
あの時ロックミシンを持ってきてくれた知人には、今も足を向けて寝られない気分です。
まとめ
結局最後には不器用者が器用にもロックミシンを扱えるようになる、と言う話になってしまいました。
直線縫いも上手くできなかった筆者なのに、何故かロックミシンは結構上手く使えるのです。
それもこれも数をこなしたから、ということですね。
ロックミシンは決して色々なことが、刺繍とかボタン穴かがりとか、出来るものではありません。
専門的な使用が当たり前のミシンなのです。
それでもひたすらに実用的なものを縫うのに、かなり役立ってくれると断言できる筆者です。