足踏みミシンが電動ミシンに、ちょっと歴史とミシンの選び方

縫い物をする人には必需品のミシンです。

勿論市販されている洋服はミシンでの縫製がほとんどです。

1台あると便利に使用ができて、手縫いよりも格段に早く出来上がるミシンです。

今や直線縫いだけでなくかがり縫いなどの面倒な縫い方にも対応、手作業だと本当に時間の掛かったボタンかがりなどもあっという間のミシンです。

しかしこのミシン、昔からこうだったわけではありません。



こちらの記事でもおすすめミシン製品を紹介していますので参考にして下さい。




日本に来たはじめてのミシンは?

今でこそどの家庭にもあるミシンですが、最初に日本に来たのは何時のことかといいますと、黒船つまりペリーが将軍に献上したのが最初だと言われています。

という事は、将軍の妻であった篤姫が最初の使用者ということですね。

これは1854年、ペリーの二度目の来航のときのことだったそうです。

何でもそうですが、最初の伝来品は勿論高級品、庶民に手の出るものではありません。

権力者がまず使い、その後普及して庶民へというルートは、昔も今も変わっていませんね。

とは言え、あまりに庶民的な機械であるミシンだと、ちょっと不思議な気もしてこないではありません。



こちらの記事でもおすすめミシン製品を紹介していますので参考にして下さい。




輸入品だとするとミシンというネーミングは

ミシン、と海外で言ってもまず通じないのは明らかです。

所謂和製英語ならぬ、和製外語と言う感じですね。

語源には勿論様々な説がありますが、英語のソーイングマシンのマシンがミシンに聞こえたと言う説が、一般的です。

海外で、縫い物したいからミシンを貸して、と言っても通じませんのでそれは念のため心得ておいてください。

元々は足踏みタイプだったのです

今でこそ電動ミシンが当たり前ですが、少し前までは足踏みタイプのものが中心でした。

筆者の体験で恐縮ですがこの足踏みミシンはは楽でした

筆者の子供時代、家にあったのはご多分に漏れず足踏みミシンでした。

直線縫いだけしか出来ないタイプで、踏む速度でスピードをいくらでも調節できましたので、怖いなと思ったらそれこそ超スロウで踏んだものです。

このミシン、祖母から母に伝わったもので、祖母が洋裁の仕事をしていた時に使用していた、それこそプロ仕様のものだったのです。

つまりは単純ながら、しっかりとした作りで丈夫で鉄製、重量もかなりものでした。

実際、第二次大戦の空襲を受けつつも生き残ってきたミシンだということで、さすがにテーブル部分は焼けてボロボロでしたので、そこだけ修復して使用していました。

当時でもすでに、針やボビンケースが特殊で、代替品が手に入りづらいと言うことでした。

まあこちら、現在は筆者の住まいの地域の博物館に、展示されています。

使わなくなったものの、捨てるには惜しいと連絡してみたら、喜んで引き取ってくれたのです。

足踏みミシンを見たことがない人も

足踏みミシン自体、すでに見たことがないという人も多いですよね。

まあそんなこともあって、博物館で展示品として引き取ってくれたのですが、今のミシンと違ってどこでも使用ができないのが足踏みミシンでした。

今の電動ミシンなら、リビングのテーブルを片付けてミシンを持ってきて、そこで作業してまた片付けるということが可能です。

足踏みミシンの場合、テーブルにミシン本体が固定されていて、加えて足踏み部分も固定です。

つまり今のミシンをテーブルに置いた状態が、固定ということなのです。

使わない場合本当に、かなり置くスペースを取られていたのも事実です。

足踏みに慣れていると電動は怖い?

筆者はこの足踏みミシンで、家で何とか縫い物をしていたのですが、中学に入った時に家庭科室にあったのは、電動ミシンでした。

正直どうすればいいのか、途方に暮れたものです。

まず糸の通し方からして、全然違っていたのです。

先に書きましたように、 家のミシンは業務用のものでした。

なので普通の足踏みミシンともいささか異なっていたのです。

それが電動にいきなりなったのですから、パニック起こしたのは当然でしたね。

隣を盗み見しつつ、何とか事なきを得たのです。

まあこの当時の電動ミシンは、いまのと違ってスピード調節も大まかで、踏みながらのんびり使っていた筆者には、怖かったのも事実です。

針で指を縫ったらどうしようと、なけなしのプライドもあってポーカーフェイスを維持しつつ怯えていました。

家庭科の時間が本当に、嫌でしたね。

今のように細かい調節のできる電動ミシンなら、良かったのにと今でも思います。

今のミシンは本当に優れもの多彩なラインアップ

さてミシンと言っても、それなりに種類もあります。

家庭で使用できるものを、大まかにご紹介していきます。

家庭用のミシン

一般に普及しているのがこれ、家庭用の普通のミシンです。

フットコントローラーや手元のパネルでスピード調節など出来るようになっています。

足踏み式ミシンと違って、かがり縫いや刺繍も可能になっています。

昨今のミシンには電子回路が組み込まれていますので、複雑な作業にも使えるようになってきました。

また作業のハードルも下がってきています。

つまり誰でも怪我の心配も少なく、面倒な作業が出来るようになってきているということです。

その反面、機構が複雑化しているのも明らかで、結果として耐用年数が少なくなってきているのもまた事実です。

足踏みミシンのように単純に直線縫いだけのもので、特に複雑な機構も無いならばそれこそ、空襲を切り抜けてその後も使用に耐えることが出来ます。

しかし複雑化した今の電動ミシンの場合、使い勝手の良さが耐用年数の低下につながっているというのは、ちょっと皮肉な気もしますね。

初ミシンや、時々しか使わない人の場合、あまり多くの機能を搭載していない、単純なものがおすすめです。

実際、多くの機能のうち使用するのは、そう多いわけでもないのです。

職業用のミシン

職業用と聞くと、普通の家庭では縁のないものと思ってしまいますが、ミシンの場合は意外と使い勝手が良いのです。

直線縫いだけのものですので、刺繍などは出来ませんが、そのかわりに耐久力も高く厚い布地にも対応できます。

工業用ミシンと違ってそこそこ重量も軽く、自宅でも使用が可能です。

縫う速度も、家庭用ミシンよりも格段に早いので、お子さんの多い家庭などにはおすすめです。

これをミシンと言っていのか良いのかハンドミシン

ちょっと見には、ホチキスのように見えてしまうハンドミシンです。

勿論洋服を作るのに使用、と言う訳にはいきません。

しかしちょっとのほつれなど、これがあればさくっと補修できるのがありがたいところです。

また持ち歩きが出来ますので、旅行の際などには1つ持って行くのもいいですね。

緊急用の補修には、大変に役立ってくれます。

ロックミシンと呼ばれるミシン

カットした布のほつれをかがりながら縫うことの出来るミシンです。

物によっては、裁ちながらかがり縫いが出来るので、裁断とかがり縫いを一気にできる便利なミシンです。

特にストレッチ布地を使用した縫い物の場合、かがりがしっかり出来るので始末の面倒がありません。

仕様によって糸の本数が違ってくるのも特徴です。

2本の糸での使用ができるミシンから、3本4本5本と種類があります。

勿論糸の本数が多ければそれだけしっかり縫えますので、ストレッチ布地には5本糸が使用できるミシンがおすすめです。

ロックミシンの場合かがり縫いだけですので、直線縫いは出来ません。

そこにはご注意ください。

まとめ

生活の必需品である、洋服です。

それを縫うには手縫いという手が、勿論あります。

しかし縫い目を揃えてしっかりと縫うには、熟練の業が必要になってきます。

ミシンなら使い慣れさえすれば、あっという間に気鋭な縫製ができるわけです。

上手く使いこなして、手製の洋服を作ってみてください。

お子さんもお母さんの手縫いは、自慢できる一品になりますよ。