初心者対応家庭用ミシン~おすすめブランド別の代表モデル紹介~
かつてミシンと言えば、各家庭に当たり前のようにありました。
時代によっては一時電子レンジよりも普及率が高かったのではないでしょうか。
そんなミシンも現在では店舗の無料裾上げや安価な既製雑巾(100均でも手に入るようになりました)の登場、それに学校のゼッケンも手に入り、洋服もファストファッションの普及によって非常に安価に手に入れられるようになったため自らミシンを使う機会もなくなりました。
そんな中、自分でも使いたいと思ってミシンを選ぼうにもどのメーカーが有名で実績があるのか分からない方も少なくないのではないでしょうか。
今回国内外の代表ブランドのモデルを紹介しながら特徴をまとめてみます。
こちらの記事でもおすすめミシン製品を紹介していますので参考にして下さい。
目次
家庭用ミシンにはどんなブランドがあるのか
最盛期には多くのブランドが存在していましたが、今国内で実績があり現存しているブランドは4つです。
うち3つが国内メーカー、うち1つが海外メーカーです。
国内メーカーは、ジャノメ、ジューキ、ブラザー、そして海外メーカーは、シンガーです。
いずれのメーカーも長い歴史を誇り、急激な家庭用ミシン市場の縮小にも耐えてきたメーカーでもあるのです。
また、それぞれのメーカーは同じグレードであっても特徴があり、用途によって使用感が異なります。
次の項目では大まかですが、各ブランドの特徴についてお話しします。
各ブランドの大まかな特徴
ジャノメは、機能とバランスに優れた製品が多く、ジューキは厚手生地(デニム、帆布など)に強く、ブラザーは多機能モデルを多く販売しています。
シンガーは高い品質とデザインです(パソコンで例えるとAppleのような)。
これらの大まかな特徴を見て選ぶという方法もありますが、基本的な見方についても説明していきます。
家庭用ミシンの選び方ポイント
主に糸と針の操作を自動で行ってくれる機能が付いているかどうかというのがポイントと考えます。
大まかにまとめると、針自動糸通し機能(文字通り糸通しを自動で行ってくれる機能)、自動糸切り機能(ボタンを押すと自動で糸を切ってくれる)、自動糸調子機能(上下の糸調子を自動で合わせる機能)、文字縫い機能(ひらがなやアルファベットなどの刺繍を行ってくれる機能)、自動ボタンホール機能(ボタンにぴったりの穴かがり※を自動で行う機能)です。
それに加えて各メーカーがプラスアルファの機能を付けていればいいのではないでしょうか(シンガーのニュースレッティングシステムなど)。
※穴かがり:ボタン穴の周りに施された刺繍(ボタン穴の強度を上げるための処理)
こちらの記事でもおすすめミシン製品を紹介していますので参考にして下さい。
ブランド別おすすめ家庭用ミシン1:ジャノメ コンピュータミシン JP710MSE
一番最初に紹介するモデルはジャノメのコンピュータミシンです。
やや高額ですが、バランスの取れた一台と言えます。
ジャノメとは
東京の八王子市にあるメーカーで日本のミシンのパイオニア的な存在です。
世界で初めて家庭用の刺繍用ミシンを開発したメーカーでもあります。
社名(蛇の目)の由来は、自社製品の糸巻きの形が蛇の目紋(黒丸または白丸の中に逆の色の白丸、黒丸があるマーク)に似ていることによるものです。
家庭用ミシンが縮小していますが、24時間風呂(湯名人)や羽根布団、産業機器、プリンター、整水機などの多角化やアメリカやスイスの企業のミシン部門の買収などを行い、他の分野からの技術やノウハウを吸収しています。
特徴
操作ボタンが見やすく、縫い方なども細かく指定できます。
直線縫いに強みを持ち、他メーカーではオプションであることが多い、直線針板と直線押さえが標準装備しているため布地に関係なくきれいな直線を縫うことができます。
初心者が苦戦しやすい直線縫いを見事に行ってくれるのは強みと言えます。
ブランド別おすすめ家庭用ミシン2:ジューキ コンピューターミシン GRACE 100B
国内メーカーのジューキです。
業務用ミシンとして実績があるメーカーで、そのノウハウが家庭用ミシンにも生かされています。
ジューキ(JUKI)とは
ジューキとは東京の多摩市に本社があります。
冒頭でも触れましたが、工業用ミシンメーカーとしての面が大きく、工業用ミシンメーカーとしては世界一のシェアを誇ります。
既製服の多くがこのメーカーのミシンによって生み出されていると言っても過言ではありません。
そんなメーカーが過酷な工業用途のノウハウを家庭用に持ち込んだモデルを展開しています。
特徴
大きな液晶画面とBOX送りと呼ばれる機能によって縫いズレた縫い縮みを起こしにくく布ずれも防いでくれるなど安定した性能を誇ります。
ただし、自動糸切り機能が搭載されていない点がややマイナスになります。
ブランド別おすすめ家庭用ミシン3:ブラザー コンピューターミシン family marker FM1100
ブラザーからは、大型液晶でUSB端子までついたミシンを紹介します。
ミシンメーカー以外にもプリンターやファクシミリでも有名な企業ですが、それらのノウハウがミシンにも生かされています。
ブラザーとは
ブラザー(ブラザー工業)は名古屋の電気機器メーカーで、ミシン以外にもプリンターやファクシミリなどが製造の中心となっているメーカーです(売上高だけ見れば4つのメーカーの中で一番大きい企業です)。
海外に強みを持ち、家庭用や業務用ミシンで共に世界トップクラスの実績を誇っています。
もともとミシンの修理や部品製造からスタートした企業ですが、戦後直後から家庭用ミシンを積極的に輸出し、その実績から海外に強みを持つに至ります。
特徴
恐らく、一番初心者が扱いやすいミシンかもしれません。
使い方ティーチング機能(ミシンが使い方を誘導してくれます。)、エラーメッセージ表示機能などの機能を持っているのは強みと言えます。
さらにUSB端子が付いているのでUSB経由で刺繍レパートリーを増やせるという機能までついています。
ただ、金額も実売7万円程度と他のメーカーの初心者向けモデルよりも割高となっているのがデメリットです。
手芸などにあまり興味がなかった人が最初に使うモデルとしてはベストと言えるくらい他の電子機器に近い使い心地の製品です。
ブランド別おすすめ家庭用ミシン4:シンガー コンピュータミシン モナミ ヌウ プラス
唯一の海外メーカーですが、非常に優れた性能で使いやすいというモデルを多く出しています。
その中でも売れ筋のモデルになります。
シンガーとは
アメリカのミシンメーカーで、日本のミシンメーカーが誕生する前からミシンを製造していました。
家庭用ミシンとしては世界トップクラス(ジューキは業務用ミシン)のメーカーになります。
家庭用のミシン市場が世界的に縮小したため、この企業もカナダの企業の傘下になりましたが、現在でも質の高いミシンを製造し続けています。
特徴
初級者はもちろん、上級者でも満足できてしまうのがこのモデルの強みです。
冒頭でお話しした機能(針自動糸通し機能、自動糸切り機能、自動糸調子機能、文字縫い機能、自動ボタンホール機能)を一通り搭載し、初心者でも扱いやすく、アメリカらしい堅牢性のあるボディが特徴です。
また大型液晶は見やすく、分かりやすい印象になります。
ミシンを長く続けて初心者から中級者、上級者になっても、きちんと満足のいく道具として働いてくれる一台と言えます。
まとめ
まとめとしては、多くのメーカーがありますが、日本国内の家庭用ミシンにおいてはこの4つのメーカーの製品がトップクラスの使いやすさと機能を誇ります。
今回紹介した4モデルを開発しているメーカーは、いずれも魅力的なミシンを開発しており、今でも脈々とその技術が磨かれていることを実感できる日用品と言えるのではないでしょうか。