初心者が知っておきたいミシンを選ぶ時の重要なポイントとは
街角には、オシャレで可愛いデザインの洋服や雑貨がたくさん並べられています。
しかしその一方で、いくら探しても自分好みの色や柄やサイズのものが見つからないとか、デザインにもう一工夫欲しい、ここにポケットやヒモが付いていたらいいのに、などと思うことはありませんか。
また、ご自身のスカートや旦那さんのズボンの丈を少し短くしたいと思ったり、お子さんの洋服はすぐに着れなくなるのに値段が高いなあと感じたりすることもあるのではないでしょうか。
そんな時、ご家庭にミシンが一台あれば、裾の丈詰めはもちろん、子どもさんの入園小物や洋服、慣れれば大人が着る洋服や好みの布を使ったバッグを作ることができます。
しかし、販売されているミシンは安い物から高い物まで多種多様で、種類もデザインも豊富です。
商品紹介の文章も難解で、言葉もわかりにくく、初心者はとても迷います。
そこで、ミシンにまつわる用語や、販売されているミシンの種類、選ぶ時のコツをご紹介します。
こちらの記事でもおすすめミシン製品を紹介していますので参考にして下さい。
目次
ミシンは3種類に分けられる
ミシン選びのコツを紹介する前に、ミシンの種類について説明します。
家庭用・職業用・工業用ミシンの違い
まずミシンは、大きく分けて「家庭用」「職業用」「工業用」の3種類があります。
家庭で買うミシンは「家庭用」または「職業用」のどちらかが一般的であり、「工業用」は既製服を縫う際に工場等で使うためのものなので、家庭で使うには不向きです。
以下の項目で、「家庭用」と「職業用」のそれぞれのメリットとデメリットについて紹介します。
多機能さが魅力の家庭用ミシン
まず「家庭用」はその名の通り、家庭で使うことを想定して作られているミシンです。
真っ直ぐ縫う直線縫いはもちろん、布端の処理に使うジグザグ縫い等の機能もあり、機種によってはボタン穴かがりや飾りステッチ機能が付いたものもあります。
学校の家庭(科)の授業の実習で使うミシンは、ほとんどが「家庭用」なので、その点でもなじみやすいです。
家庭用ミシンは価格が高いものから低いものまで幅広く、高価格な家庭用ミシンになればアルファベットやキャラクターの刺しゅう等も行えるほど多機能なものもあります。
一般的な洋服や雑貨類を作るだけなら、家庭用ミシン一台でかなりカバーできるため、初心者から中級者までの様々な層におすすめです。
仕上がりが綺麗な職業用ミシン
一方「職業用」は直線縫い専用で、縫い方のバリエーションの豊富さに関しては「家庭用」に劣ります。
しかし、ステッチの仕上がりが綺麗で見栄えが良く、布地を選ばず美しく仕上がる点が大きな魅力です。
家庭用では針目が不揃いになってしまったりしますが、上手く縫えない帆布やデニムやレザー等の厚手生地も、「職業用」ならキチンと縫うことができます。
そのため、家庭用ミシンではパワーが足りないと実感した中上級者や、服飾の専門学校生が使用することが多いです。
電子ミシンとコンピューターミシン
ミシン販売店に行くと、家庭用や職業用等の呼称とは別に「電動ミシン」「電子ミシン」「コンピューターミシン」等と書かれている場合もあります。
これらはいずれも家庭用ミシンのカテゴリーに入りますが、機械内部の構造により「電子ミシン」や「コンピューターミシン」等の名前を付けて、詳細を紹介しています。
電動も電子もコンピューターもそれぞれ価格にバラつきがあるため、絶対的な指標はありませんが、一般的には電動ミシンが一番機能的に簡素であり、続いて電子ミシン、コンピューターミシンの順に機能が上がっていきます。
学校の授業で使われている物は電動ミシンまたは電子ミシンが主で、縫い目はダイヤルでガチャガチャ回します。
コンピューターミシンは見た目に高級感があり、商品の大半に液晶画面がついていて、液晶画面で操作するものが多いです。
一般に電子ミシンの方がコンピューターミシンより安価であり、電子ミシンでほとんどの洋服や小物の製作が可能ですが、初めてミシンを買う方が高価なコンピューターミシンを買っても、全く問題ありません。
こちらの記事でもおすすめミシン製品を紹介していますので参考にして下さい。
一般的な洋服や雑貨類を作る場合は家庭用ミシン
ミシンを買う理由や目的がはっきりしている場合は、縫いたい物にあわせてミシンを買うのがおすすめです。
子ども用の入園セットやレッスンバッグを縫いたい
例えば、お子さん用の通園通学入園セットと呼ばれるバッグやきんちゃく袋、小物入れ等を作る目的でミシンが欲しいという場合は、「家庭用」のミシンがおすすめです。
ズボンの丈詰めやスカートの裾がほつれてしまった時なども、この家庭用ミシンで縫うことができ、応用も利きます。
パジャマや部屋着によく使われる、綿や麻などの生地も扱えるので、一般的な服や小物作りに対応した、万能型の家庭用ミシンの中から、ご希望の価格帯にあわせて選ぶと良いです。
また、可愛い刺しゅうや飾りステッチを手軽に入れて楽しみたいという方は、刺しゅう機能がある家庭用コンピューターミシンを買うのも良いでしょう。
手芸や洋裁に本格的に取り組みたい場合は職業用ミシン
洋服や日用雑貨(カーテン・ランチョンマット・ポーチ・枕カバー等)のみならず、帆布やデニムといった厚手の生地でカバンやリュック等を作りたいという方には、職業ミシン+ロックミシン(布端をかがってほつれ止めするためのミシン)という二台使いもおすすめです。
縫い目の美しさや一段上の出来上がりが目指せる
家庭用ミシンは、直線だけでなくジグザグ縫い(縫い目が山型で、布端のほつれ止めとなる縫い方)等の複数の縫い方が選べる他、機種によってはボタンホールや飾りや刺しゅうなどもこなせるため、一般的な服飾雑貨の製作では大変便利ですが、実は弱点もあります。
特に帆布やデニムといった厚い生地を複数枚重ねて、家庭用ミシンで縫うと、場合によっては針が上手く動かずにステッチが不揃いになったり、止まってしまったりして縫えない場合があるのです。
そんな方におすすめなのが職業用ミシンです。
職業用ミシンは家庭用ミシンに比べてパワフルなため、厚手の生地を縫うのが得意です。
針目が正確で、ステッチが綺麗に出来上がりますので、ワンランク上の仕上がりが楽しめます。
そのため、上級者は、布端をかがるためにロックミシンや家庭用ミシンを使い、直線は職業用ミシンで縫うという方法を取って、二台のミシンを利用します。
ミシンのサイズや動作音も要チェック
ミシンを選ぶ際には、上記のようなミシン本体の機能に注目がいきがちですが、実はミシンの「サイズ(寸法)」と「動作音」も同じぐらい慎重にチェックするべきです。
ミシンのサイズや重さを確認する
ミシンは横幅や奥行にバリエーションがあり、コンパクトな物から、フルサイズと呼ばれる大きな物まで、いろいろなサイズのものが販売されています。
全体が大きなミシンは、縫っている最中も布の取り回しがしやすく、ワンピースやカーテンのような、長い物を扱っている場合も安定感がありますが、ミシン本体の重量が重たいため、ミシンを持ち運びづらい、移動しづらいというデメリットがあります。
反対にコンパクトなミシンは軽くて持ち運びやすいので、使った後にしまいやすいという利点があるのですが、その反面、大きな物を縫う時は不安定で、やや縫いづらく感じてしまうというデメリットがあります。
ミシン買う際には、ミシン本体の使用場所について念頭に置くのはもちろん、使用後に片付ける場所、持ち運ぶ状況を想定しつつ、寸法や重さを確認することも重要なポイントと言えます。
ミシンの動作音は意外と大きい
また、ミシンは縫う時にガタガタと音が鳴ります。
電源を入れた時にさまざまな電子音や機械音が鳴る機種もあり、モーター音も高低大小さまざまです。
ミシンを使う部屋が独立している場合はあまり気にしなくても良いのですが、居間やリビング等にミシンを持ち出して、家族が居る部屋で使う場合や、子ども部屋やお年寄りのお部屋の近くで、ミシンを使うことを想定している場合もあると思います。
その場合、ミシンをかけると、勉強中のお子さんやテレビ視聴、就寝等の妨げになる可能性もあるので、どのくらいの動作音がするのかミシン購入前に確認することも重要です。
ミシンを買う時には使用用途を絞ることが大切
ミシン選びで悩んでしまったら、とにかく作りたい物や直したい箇所等をはっきり書き出して、使用する目的を明確にすると良いです。
使用用途を明確にすることが重要
ミシンは使用用途により、買うべき機種が絞られます。
ミシンを販売する実店舗でも店員は、必ずと言っていいほど使用用途を尋ねてくるわけで、ネットや通販で買う時もここは外せない部分です。
お子さん用の通園グッズやワンピース等を作るだけが目的なら、低価格から中程度の「家庭用」ミシンがおすすめします。
今後、ミシンによるハンドメイドを深く追求していくつもりがあれば、やや高めの機種をおすすめします。
ミシンは適正に利用すれば十年単位で使えますので、自分のレベルよりワンランク上の物を買って、長く使うという手もあります。
ご自身のミシンの使用用途を明確にすることが、適したミシンの購入につながりますので、今後どういった事に使いたいか、どういう使い方を想定しているか等を考えてから、ミシンを選ぶと良いでしょう。
まとめ
知識がないまま販売店に並んでいるミシンを見たり、ネットショップで商品を検索したりしても、違いがわからず戸惑い、つい価格やデザイン等で選んでしまいがちです。
ミシンは「家庭用」と「職業用」とでは機能に大きな違いがあるので、その点をきちんと認識した上で選ぶことが、お買い物成功率を上げるコツとなります。
上記の内容を参考にしつつ、是非ご自身の目的にあったミシンを選んでみてください。